図書館員@UW研修者のブログ

2017年5月~11月にワシントン大学東アジア図書館で研修していた大学図書館員の期間限定更新ブログ。大学図書館での仕事やシアトルの生活をゆるゆるお送りします。

アメリカ東海岸滞在記③~ボストン編~

東海岸の旅も終わり、無事にシアトルに帰ってきました!

ニューヨークを発った後はNew Havenに立ち寄りイェール大学を訪問、その日のうちにボストンまで移動し、2泊しました。
ボストンでは主にハーバード大学の図書館を回り、駆け足でマサチューセッツ工科大学のキャンパスを散策したりしました。

 

時間の関係で特に観光らしいことはできませんでしたが、宿泊したホテル(Chinatown近辺)の近くにあったBoston Commonを散歩してみたり。

 

一見長閑な雰囲気の公園ですが、その歴史は1634年創立、アメリカ最古の公園と長く、遡ると凄惨な歴史も含みます。

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訪れた際はそんなことも知らず暢気に歩いてましたが…。 

 

滞在最終日は朝からボストンコモンを抜け隣接するパブリックガーデンも散策してみました。

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こちらには、日本でも『かもさんおとおり』の名で有名なJohn Robert McCloskeyの絵本に登場する鴨の親子像があります。

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実際、パブリックガーデンには鴨がたくさん。

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パブリックガーデン散策後は思いのほか足が進み、その勢いでロングフェロー橋を渡り…

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ホテルを出てから1時間15分ほどで、MITのキャンパス端までたどり着きました!

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予定ではホテルを出たらハーバード大学を訪問、その後空港に直行するつもりで道中スーツケースを片手にしていたので、こんなに歩くなら荷物はホテルに置いて来ればよかったと思いました。

 

MITは時間の関係で本当にわずかしか滞在できず、図書館はHayden LibraryとRotch libraryをちらりと覗くにとどまりました。本当は工学系図書館のBarker Libraryも観たかったのですが、通り過ぎたのに気づかず…

 

Hayden LibraryはHumanitiesとScienceのLibraryが一緒になっており、更に1階には24時間オープンのエリアがあります。

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1階にはInformation DeskとScience Libraryの新着図書エリアがあり、Information Desk脇の階段からはHumanities Libraryへ行けるようになっています。
Science Library側の1階&中2階エリアは、2017年に改装したばかりのようで、新しい空間に対し利用者からの声を求める掲示が貼られていました。

 

こちらはArchitecture & Planningを専門とするRotch Libraryが入っているRogers Building。

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このドーム?の下にVisitor Info Centerもあります。

Rotch Libraryは2階に位置するのですが、1階側からは案内板等は(すぐには)見つけられず、意外と入り口がわかりにくかったです。(案内があると私みたいな観光客が押し掛けるからですかね…)
ドーム脇のエレベーターで上がると表示があり、すぐに入館できます。

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この1週間の東海岸の旅では、色々な方のご協力やご厚意に助けられ、無事に予定通りの訪問を終えシアトルへと戻ることができました。特に今回訪問を受け入れてくださった各図書館の方々は、本当にお忙しいところ快く迎えていただき、刺激も多く受けることのできた日々でした。

肝心の図書館紹介はまだまだまとめられていませんが、早くお送りできるよう書き進めます…!

 

~おまけ~
ボストンではご縁があり、クラリネット奏者リチャード・シュトルツマン氏とマリンバ奏者ミカ・シュトルツマン氏ご夫妻の生演奏を聴かせていただきました!
すっかり音色に惚れてしまいCDを購入するという…特にマリンバの優しい音色とMikaさんの情熱的な演奏とのギャップがたまりません。

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アメリカ東海岸滞在記②~ニューヨーク編~

ニューヨークには13日夜~16日の早朝まで滞在していました。

シアトルの長閑さが恋しくなる久々の大都会。

こちらではコロンビア大学に訪問し東アジア図書館見学&インタビューさせていただいたほか、New York Public LibraryとNew York University Elmer Holmes Bobst Libraryをふらりと見学に行ってみました。

 

New York Public Library(Stephen A. Schwarzman Building)は1911年に一般公開されて後、今では世界中から年間100万人にのぼる訪問者を迎え入れています。

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↑左右手前側に有名なライオン(Patience and Fortitude)がいますが、うまく撮影できず…残念。

ボザール様式の建築ということで、内装も建築様式も見るべきものが多々あります。こちらもLC同様Building Tourが無料で行われています。

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図書館としてもちろん利用が可能ですし、歴史ある建築物は一つの観光スポットにもなっているため、今回見学に訪れた日もとにかく人の多さに圧倒されました。

 閉館ぎりぎりに退館したのですが、この写真に写る入り口前の階段には人だかりが。

単なる見学者も多い中、閲覧席で読書をしたりPCで作業をしている利用者の姿もよくみられました。

 

こちらはNew York University のメインライブラリーとなるBobst Library。

東アジアコレクションを所有しているため訪問してみることとしましたが、アポはとらずに自主見学です。訪問者は入館ゲート手前の窓口で、ID(パスポート)を提示すると1日入館券をもらえます。

 

写真は外装&エントランスホールのみご紹介。

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こちらの図書館はとにかくモダンさに圧倒されました。

今までアメリカで見てきた図書館は、比較的歴史ある建築物であるところも多く、ある意味新鮮な気持ちで館内を散策できました。

フィリップ・ジョンソンとリチャード・フォスター二人によってデザインされた建物は、金の装飾のきらびやかさがありつつも黒を基調とした重厚な雰囲気があり、館内の静寂さを保つ空間づくりがなされているように感じます。

現にCommonsスペースもあるのですが、一部改装中だったり学生が少ない時期なのもあるためか、利用者が使用できるLL2~10階どのフロアも本当に静かです。

 

東アジアコレクションは10階北側にあり、閲覧室はガラス張りのため、NYの街並みを一望できます。

部屋には中国語・韓国語・日本語の一般書及び参考図書が配架されており、西洋言語の東アジア関連資料は他の一般資料と同様に各フロアに、雑誌は雑誌でやはり西洋言語のものと同じ雑誌書架に配架されているようです。

 

さてさてニューヨークを離れたのちはYale大学を訪問すべくNew Havenへ移動し、その日のうちにBostonまでやってきました。

Bostonが東海岸への旅最後の地になるので、一先ず移動は無事に終わりほっとしています!

 

 

~おまけ~

NYでの図書館訪問前に、24時間運航のStaten Island行き無料フェリーで遠目に自由の女神を眺めてきました。

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この後天気が崩れるという予報だったので生憎の空模様でしたが、ちょっとした気分転換にもなり気持ちよかったです。

夕焼けの自由の女神像がきれい、という話をききますが、朝方コーヒーを片手に眺めるNYの風景も、眠気覚ましによい気がします。

 

アメリカ東海岸滞在記①~ワシントンD.C.編~

突然ですが、11日から一週間の予定で、東海岸大学図書館を巡る旅をしています。

Washington D.C.から始まり、New York、New Haven、最後にBostonに寄り18日にシアトルに帰る予定です。

 

初日はメリーランド大学プランゲ文庫に訪問させていただいたので、別の記事にてご紹介できればと思います。

ワシントン滞在中は自分でも驚くことに気づいたら2日連続で寝落ちしていて全然ブログをあげる余裕もなく…とりあえず図書館見学以外の記事として、Library of Congress+αを回ってみたので簡単にご紹介です~

図らずも観光シーズン真っ只中のD.C.は人がたくさんで蒸し暑く、シアトルでは耳にしなかった蝉の声をきき、東京を思い出しました…。

 

Library of Congressは今回の図書館巡りの候補にもちろん入っていたのですが、日程的にどうしても土曜日になってしまい、アポは取らずに通常見学で入館しました。書架は一般開放されていないので、単なる建物見学にはなりますが、ここが世界最大規模の図書館かと思うと感慨深いです。

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10時過ぎに行ったのですが、既に入館に長蛇の列。セキュリティチェックがあるとどうしても並びます…

 

この日は無料で行われるBuilding Tourに参加しました。45分ほどで館内建築の見どころを解説してくれます。一部、このツアーでしか入れないエリア(主閲覧室、天井ドームと閲覧席を眺望可)もあります。

知を司るミネルヴァのモザイク画は主閲覧室を守護するように配置されています。その後ろに…

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ちらっと覗ける閲覧室。利用登録すれば使用も可能です。

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これまでLCのWebサイトを使用しても、掲載されている画に特に注意を払ったことはありませんでしたが、見覚えのある彫刻や画に多く出会い、これのことだったのかと驚きの連続です。

個人的にはLC Authoritesをよく使用するので、2階の各回廊に立つ天使たちに出会えてちょっと感動しました。

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ワシントンD.C.には土日で滞在できたので、他にも定番の美術館・博物館系を訪問したり、DC Go Card(Explore Pass)を利用した観光を行ってみました。

どこもかしこも初めてなので、行く先々で立ち止まり写真を撮影したりしたのですが、この3日間で一番思い出に残りそうなのはNight Tourでしょうか。
Explore Passで選べるアトラクションの一つにBig Busが企画するPanoramic Night Tourが含まれていたので参加したのですが、出発直後に雷雨に見舞われ、バスデッキではなく車内でガイドを聞くも、気温も急激に下がったため窓ガラスが曇り何も見えないという状況に。

Union Station出発時は青空も見えましたが、

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ワシントンモニュメント横を通り過ぎる際には雷鳴とともにこんな雲行きになり…

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遂に数メートル先も見えないほどのスコールに。

本来はホワイトハウスが綺麗に見えるはずの場所。

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2時間のツアーのうち、30分はバスを降りてリンカーンメモリアルなどを散策する予定が含まれていたのですが、はじめに近くを通過した際はとても降りられる状況ではなく、散策は見送ることに。

このまま下車せずに駅に戻るかも、ということだったのですが、奇跡的に再びリンカーンメモリアル近くを過ぎた際は雨も小降りになり、最終的には傘もいらなくなりました!
ということで不運に見舞われながらも無事に目にすることができた、夜のリンカーンメモリアルとリフレクティング・プールはこちら。

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雨上がりの澄んだ空気の中水面に移るモニュメントはいつまでも見ていられそうで、Tourでなく普通に夜に来てもよかったかなと思ったりしました。

そしてその結果次の日も同じところに来てみたりしました。

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昼も夜もどちらも心が凪ぐ景色です。


ちなみにPassはアプリをパスポート代わりに利用できるのですが、Big Busの乗車に使用する際はUnion SationのBus Kioskで手続きが必要になります。

KioskはCapitalに面した側のStreet Level駅構内壁際、Big Busが停車している道路側から駅に入ってすぐの所にあり、ここでPassのQRコードを見せると当日付のレシートを発行してくれます。
ナイトツアーも日中のHip Hop Busもこれが乗車券代わりになりますので、一日が終わるまでは捨てずに携帯しておきましょう。

さて、ワシントンDCのことはこれくらいにして、明日からはNew Yorkの図書館巡りに行ってきます。

 ところでこの記事はワシントンDCからNew Yorkに移動する電車内で書きはじめたのですが、危うくワシントンDCでもう一泊する羽目になりそうでした…待てど暮らせど乗る予定の高速バスは来ず、結局電車に乗って移動したのでした。日付をまたぐ前にNYに辿り着けて良かったです!

 

明日からは大都会の図書館訪問、楽しみです~!

 

~おまけ~

ワシントンD.C.のビール。

Atlas Brew WorksのDistrict Common (Califolnia Common) とPONZI(IPA)。

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図書館紹介~ワシントン大学Music Library編~

今月はワシントン大学の芸術系図書館を巡ってみることにしました。

まずはMusic Libraryをご紹介です。

 

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School of MusicのあるMusic Buildingは、向かいに建つArt Buildingと対になる構造で、同じ年に建築された校舎です。

 

図書館はMusic Buildingを入ってすぐ右手にあります。1階の入り口はこちら。

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地下にも資料がありますが、図書館内では繋がっておらず、利用したい場合は一度館外へ出て下のフロアに行きます。資料はスムーズに移動ができるように、Book Liftが設置されていました。

2フロアで約7万点の本と楽譜、4万6千点の音声資料を所蔵しています。

コレクションとしてはヨーロッパのオペラ関係資料及びAmerican Music Scoreを強みとしています。 

 

1階には入館すると左手にサーキュレーションデスクと書架、正面にGroup Study Area, 右手にReference及び出納式書架が並びます。

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ちなみにこちらの校舎は古いこともあり、図書室は残念ながら冷房がありません。訪問時は館内すべての窓を開けて対応していました。更に暑い場合は扇風機も稼働。

スザロにも音楽関係資料は所蔵されており、音源も聞けるMedia Centerがあるため、そちらも学生はよく利用するようです。

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あまりにも自然に置いてあるので見落としそうになりますが、1950年代に製造されたというオルガンも入り口にあります。もちろん触われて音もでます!

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資料で目につくのはやはりMusic Libraryならではの多種多様な楽譜。大きさがまちまちのため、通常の書架とは別に、ポケットサイズ用と大型用の楽譜書架があります。

↓わかりにくいですが携帯用の大きさの楽譜。小さいと文庫サイズほどのものから並んでいます。

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こちらは大型の楽譜。地下に別置されています。

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 地下には図書と音源資料が配架されています。閲覧席はQuiet Study Areaになっています。

CDやDVDはもちろん、LPレコードもたくさん!

開架式で直接パッケージを見られるのも嬉しいですね。

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CDのみが収容されている棚。写真には映っていませんが、右手にも同じように並んでいます。

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DVDコレクション。

ワシントン大学Scool of Musicのオケの演奏は、DVDで記録されたものを図書館で保管しています。

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カセットテープも所蔵していますが、徐々にデジタル化する作業をすすめているそうです。ちょうど訪問した際に、アルバイトの学生さんが変換作業をしていました。

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ちなみにMusic Libraryで働く学生アルバイトは、もちろんMusic Schoolの学生なのですが、オケに入っていない(←重要)学部生がほとんどだそう。一部院生もいますが、作業としては閲覧カウンター業務補助と書架整理がメインのため、時間の取れる学部生が応募してくることが多いようです。

 

Libraryに併設されるListening Center。

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音源資料は身分や資料によって館外には持ち出せないものもあるため、ここで使用できるようになっています。この部屋に関してはPCが設置されており室温が上昇しやすいため、冷房が設置されています。暑い日はここに自分のPCをもって避難してくる学生もいるそう。

PCのほかにも、各種音源再生機と可動式モニターがあります。

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上記の写真のように部屋には大きな鏡が張られているのですが、これは指揮科の学生が式の練習ができるよう設置されています。モニターや再生機で音源を流しつつ自分の姿を確認するそう。

また、部屋の中央は椅子が並べられるようになっており、複数人でモニターに映された演奏映像などを鑑賞できるようにもなっています。

 

見学の他にも、Music Libraryで保管する貴重資料(イタリア人作曲家プッチーニロッシーニ直筆の書簡)を見せていただいたり、昨年作成されたばかりのCrawford Collection Catalog(UWで所蔵する、William Crawford IIIが収集した初版音楽資料及び同氏アーカイブ資料のカタログ)をいただいたりと、充実した見学をさせていただきました。UW内の他の図書館と比べると決して規模は大きくありませんが、歴史のある建物にLibrarianと学生アルバイトとの距離も近く、大学というより学校図書室を彷彿とさせるような、懐かしさを感じる落ち着いた雰囲気の図書館(図書室)でした。

 

~おまけ~

週末にChihuly Garden and Glassに行ってきました。

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今までシアトルで訪れた場所の中で一番気に入りました…!ガラス彫刻家Dale Chihuly氏はワシントン州タコマ出身、ワシントン大学でも学んだ経歴のある作家です。

2枚目の作品はシアトルの西側に位置するピュージェット湾(Puget Sound)をイメージした作品。よく見ると海の生物も散りばめられています。

日本では富山市ガラス美術館に常設の作品があるということで、帰国したら是非観に行きたいと思うほど美しい作品の数々です。その前に、UWのタコマキャンパスの図書館にも作品が飾られているらしいので、そちらに行ってこようと思います!

図書館紹介~ワシントン大学Foster Business Library編~

シアトルも30度近い日が続くようになりました。

東アジア図書館は冷房がきかないため、利用者も職員も、皆凉を求めて他の図書館に移動してます。暑くなりすぎた場合は閉館の予定もあるので、利用にはご注意を。

 

さて本日紹介する図書館はワシントン大学ビジネススクールの図書館、Foster Business Libraryです。

 

図書館があるのはこちら、Paccar Hall。1st Floorとあるのですが、こちら側から入ると、もう一フロア下に下がります。カフェがある階の更に下です。

ちょっとわかりにくいので行かれる方はご注意を。

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Law Libraryと少しだけ似ている構造だったのが、こちらも天井から太陽光を取り入れる造になっています。

見学した日は生憎雨が降っていたのですが、それでもこの明るさ。天井も高く開放感があります。

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フロアは、書架と閲覧席(1階)と閲覧席のみがあるフロア(2階)があります。

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入り口から館内を見ると、一見書架がないかと思うほど紙の資料は少なく、基本はE-Journalやデータベースの利用が多いそうです。

 

入館した右手には、閲覧とレファレンスを兼ねたInformation Deskがあります。

右手が貸出返却、左手がレファレンスです。Deskの後ろにはコースリザーブが置いてあります。

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Deskの前にはパソコン端末が並びます。

Bloomberg専用端末も5台分あります。図書館で用意したというこののぼり、非常に目を引きます。

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紙の資料は少ないとはいえ、需要が全くないわけではなく、特に学部生や院生には必要とされています。Hot topicの本は購入後、少しではありますが展示をし、利用者の目に触れるように工夫されています。

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レファレンスブック&雑誌書架。本当に量が少ない!

紙の雑誌はほぼほぼ購入を止めており、E-journalを提供しているそうです。

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館内なら自由に家具移動OKのStudy Area。見学した日も「あれ、机が一組足りないな…」と案内してくれた方が言っていたら、全然違うエリアから一組発見されました。

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11あるというGroup Study Roomは、やはり学期期間中は常に予約でいっぱいのよう。そしてStudy RoomというよりConference Roomのような雰囲気があるのがBusiness Libraryらしいと思いました。

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ちょっとした展示スペースでは、アルバイトの韓国の大学院生が企画したというアメリカにおける韓国スキンケア商品市場が紹介されています。図書館にある資料を紹介、という展示ではなく、資料を使用し研究した結果の展示(製品付)、というのに企画者の熱意を感じました。そして内容も興味深いです。

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Business Libraryでは紙の資料のニーズ低下を目の当たりにしましたが、今回案内してくださったBusiness Research and Instruction LibrarianのJessicaさん曰く、学部生とPh.Dは本(紙)を、MBAと教員はジャーナル(電子)を必要としている、という傾向もみられるそうです。同じSchoolの利用者であっても、個々のニーズに適した資料を提供できる環境整備が大切だということを学んだ見学でした。

 

~おまけ~

オフィス、移動しました!

オデガードの地下から東アジア図書館の2Mへ。窓があるって素晴らしい。

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古典籍のカタログ作業

ちょっと前回の記事から間があいてしまいましたが…今日はJapanese Studies Librarianの田中あずささんが行うカタログ作業の話です。

先週から週に一度のペースで、古典籍のカタログ作業を一緒にさせていただいています。(といっても自分がPCを操作するわけでなく、ほぼ見守っているような状態ですが…)

 

東アジア図書館では、日本語資料のカタログはあずささんを含め3人の方が行っています。

一人はコピー(エンハンス)カタログを行うSpecialist、一人は近世以降のオリジナルカタログを行うCataloger、そして古典籍のカタログはあずささん、という形で分担されています。

 

さて本日カタログを作成した資料はこちら。

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表紙・裏表紙は渋紙(柿渋が塗ってある和紙)、かつ粘葉装(1枚の紙を半分に折った折り目部分が糊付けされ、製本されている)ということで、資料の内容というよりも装丁として東アジア図書館にはなかった資料ということで購入されたそうです。

確かに日本でカタログ作業をやっていても今のところほぼ目にする機会のない装丁だったので、こちらで出会えてちょっとテンションがあがりました。

 

タイトルは摩訶毘盧遮那~以下、巻頭から採用していますが、

本日作業した時間内ではヨミがわからず…他機関での所蔵も確認できませんでした。

ヨミがわからなければリリースできないため、最終的には仏教学を専門とする先生にヨミをお伺いすることになりそうです。

もしどなたかご存知でしたら教えて下さい…。

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ところで古典籍のカタログは、少なくとも日本の機関が作成する場合、目録規則は日本目録規則の和古書適用細則を採用あるいは基準とし、作成する場合がほとんどかと思います。

ワシントン大学はもちろん、米国の機関では他の資料同様、古典籍についてもRDAに基づきカタログを作成します。OCLC上で既存の類似レコードを流用する場合は信憑性・利用性の高いレコードを選択したいということで、日本の機関による古典籍のRDAレコード作成の必要性を感じているようです。

 

作成したカタログレコードは、一度カタロガーが確認の上で、OCLCConnexionから図書館システムにエクスポートします。

利用者が検索・利用できるようになるまではまだしばらくかかりますが、貴重な資料であることは間違いないので、機会があれば是非一度手に取ってみてください!

 

 

~おまけ~

住んでいる家の大家さんのリクエストで、一緒に寿司づくりをしました。

日本が大好きな方で、私も所持していない巻き簾を3枚も持っているという…。

具はこちらの人の味覚にも合うという、スモークサーモン、アボカド、クリームチーズ、キュウリで挑戦。

他にも、キムチ、卵、キュウリの組み合わせも好評でした。

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実は、太巻きは(多分)初めて作ったのですが、大家さんの期待が大きすぎて作ったことないとは言えず…練習の上本番に臨みました…。喜んでもらえて本当によかったです。

ワシントン大学での昼ご飯事情その2

気づけばSummer Quarterも半分が過ぎようとしていますが…夏限定の学内バイキング(all-you-care-to-eat buffet)2か所をご紹介します!

私はここ数日、朝も昼も大体どちらかのダイニングにいるほどはまっています…。

 

設定価格は共通ですが、ダイニングにより微妙にメニューが異なります。

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共通しているのはサラダ&フルーツバーに、ゼリー等のデザートとドリンクメニュー。

バイキングは朝・昼・夜の3回あり、特に昼はHuskey Cardで支払うと、通常$11.50+税のところ$7.72+税で好きなだけ食べられるので、この夏UWで過ごす方にはおすすめです。

 

1. The 8

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McMahon Hall(学生寮)の地下にあるダイニング。窓際の席はレイクワシントンを臨めます。

朝は寮生の食事処も兼ねているようです。

 

メインディッシュは自分で取るのではなくよそってもらう方式なので、混雑時には列ができやすいです。(とはいえすぐに解消されますが。)

 サラダバーはこんな感じ。

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モニターにラインナップが表示されるので、食べたいものを伝えます。

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2.Local Point

Lander Hallにあるダイニング。The 8より広く、今の時期の昼時は、UW見学に来た子どもたち(小・中学生くらい?)もよくいます。

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こちらは自分でバーガーやサンドイッチの具を挟み好みの組み合わせが作れたりします。

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一部は料理のデモンストレーションも行えるよう、講義スペースになっています。

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この席ももちろん食事スペースとして使用できます。

 

とある日のランチ。左は日替わりメニューの一つ、タコライス

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ちなみにLocal Pointの方はトレーを使用しないで皿だけ取る方式なのですが、何故か最後の食器を片付ける返却口で、食器をトレーに乗せてベルトコンベアの上を流す式になっています。

 

個人的にはLocal Pointの方がお気に入りですが…どちらもお昼はお得感があります!まだ夜は行ったことがないので、そろそろ挑戦してみようと思っている今日この頃。

ちなみにどちらも夏以外は通常のダイニングとして運営されているようです。