図書館員@UW研修者のブログ

2017年5月~11月にワシントン大学東アジア図書館で研修していた大学図書館員の期間限定更新ブログ。大学図書館での仕事やシアトルの生活をゆるゆるお送りします。

図書館紹介~シカゴ大学図書館The Joseph Regenstein Library編~

前回に引き続き、シカゴ大学の図書館紹介です。

今回は東アジアコレクションも含む人文・社会学系図書館のThe Joseph Regenstein Libraryを紹介します。

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1970年にシカゴの建築会社Skidmore, Owings and Merrillにより建築されたこちらの図書館は、内装は一部改築していることもありますが、建物の構造自体が古さを感じさせない設計だと感じました。

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1階の入館ゲートを通過すると各サービスカウンターとCollaboration Zoneがあります。

 

 

サーキュレーションデスク。

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自動貸出はスマホにアプリを入れてできるようにもなっているそう!便利…!

 

レファレンスデスク。

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TechLab。ここはライブラリアンではなくIT系の部署のスタッフ&学生が窓口に。

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館内にはカフェもあります。

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以前はレファレンスブックを配架していたエリアのようですが、全て撤去し飲食可に。

 

上の階にあがると、書架が一切ない共同学習スペースのcollaborative learning centerがあります。

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以前はパーテーションで区切ったゾーニングを行っていたそうですが、昨年9月に開放感のあるフロアに生まれ変わりました。
壁は全面ホワイトボード。ちなみにペンは貸出ではなく購入式です。

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UWもそうですが、文房具の自動販売機、いいですよね。
学生にもよく使われるエリアで、学期期間中は常に席が埋まっているとか。
更に席は追加予定があるそうです。

 

更に上の階へ行くと書架が並んでいます。

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閲覧席はのびのびとした感じ。

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最上階の5階にEast Asian Collectionがあります。

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シカゴ大のEast Asia Collectionは、アメリカ中西部ではミシガン大学に次いで多いコレクションだそうです。

1986年まではHarvard-Yenchingの分類、それ以降はLC分類で主題別に配架されています。

一部は目録作成前に配架せざるを得ない資料もあり、各主題下ではなく受入順に請求記号が付与されている資料もあります。

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箱入りの三田文学も。

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同じく5階に一般書&製本雑誌が並ぶエリアとは別に、レファレンスブックと雑誌、データベースが使用できるエリアがあります。

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吉村さんの事務室もこちらにあります。

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破棄してしまうブックカバーを可愛く活用されてました!

 

シカゴ大では、ライブラリアンの日本人は吉村さんしかいらっしゃらず、選書から発注、カタログにレファレンスと全てお一人でされています。
最近は学内だけでなく学外からも色々とJapanese Studies関連の質問が来るそうです。

 

今回、館内ツアーのみだけでなく、カタログのこともPC操作を交えつつ説明してくださり、お忙しいところ3時間近く時間を割いていただきました。

ちなみにシカゴ大の図書館システムはKuali OLE(Open Library Environment)で、クラウドベースのシステムですが、今はローカル版?のみの使用で特に他機関のデータを活用できるという状態にはないそうです。

 

UW以外にも、英語圏での日本語コレクションの選書から配架までを知ることができたのは、非常に興味深く貴重な経験でした!


 

~おまけ~

シカゴの街中で見かける自転車シェアリング。大学前にもありました。f:id:seattle2017:20170630154321j:plain

 

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図書館紹介~シカゴ大学図書館Joe and Rika Mansueto Library編~

シカゴ滞在の4日目は午前中のALA Annualののち、シカゴ大学を訪れました。

 

訪問したのはThe Joseph Regenstein LibraryとJoe and Rika Mansueto Library。

シカゴ大Japanese Studies Librarianの吉村亜弥子さんにご案内いただきました。

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図書館がある地は、1942年、シカゴ大学で核実験が行われた土地でもあり、The Joseph Regenstein Libraryの脇にはヘンリー・ムーア作"Nuclear Energy"がひっそりと佇んでいます。

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右側のドーム状の建築物は"The Egg"の愛称で親しまれるJoe and Rika Mansueto Library。

まずはこちらの図書館から館内を巡りました。

 

Joe and Rika Mansueto Libraryは2011年に開館した図書館で、入館はThe Joseph Regenstein Libraryからとなり、館内で繋がっています。

 

館内の様子。地上には書架はなく180席の閲覧席のみあります。

学期期間中は席が常に埋まる盛況ぶりだそう。

そして机や椅子は、建築にあうよう全てオーダーメイドだそうです…!

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外からの図。

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内外から向こう側がよく見えますが、ガラスはUV、断熱加工のため、訪問当日も確かに日差しがあっても問題なく過ごせました。青空を見ながら勉強できるのが素敵ですね。

加えて入館ゲートまで戻らずとも脱出できる地下通路&臨時ゲート(ガラスが開くようになってます)及びスプリンクラー搭載とのことで、防災面もばっちりです。

 

この図書館が有名なのは、見た目だけではなく地下にもあります。

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↑ちょっとわかりにくいのですが、地下を覗いている写真です。地下には約350万冊が収容可能な自動保存書庫があります。

利用者はカウンターでリクエストをすると、リクエストされた本はクレーンでピックアップされて地上へ。

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全自動で資料をピックアップできる上に収容冊数も驚きの数字ですが、費用も日本円で約25億かかっているという…!州外、国外からも見学のある施設で、今回私が訪れる数日前には日本から丸善主催のツアーでいらしていた方たちも地下の書庫内を含め見学されていったようです。

 

また、もう一つの特徴としては、資料保存に携わるPresevation&Conservationの部署が、ドームの半分、閲覧席と同じ階に位置しているということが挙げられるかと思います。

サービス系の部署でないとバックヤードに事務室を構えがちですが、日が当たり、利用者の雰囲気をすぐ近くで感じながら仕事ができるのも、(実情はわかりませんが)刺激のある日々を送れそうです。

 

 

本当は1ページにまとめようと思ったのですが、長くなりそうなのでThe Joseph Regenstein Libraryは次回お送りします~

 

~おまけ~

少しだけキャンパス(The Joseph Regenstein Libraryの南側)もご紹介。

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ツタの絡まる校舎も多く、歴史と自然を感じられます。

ALA Annual 2017@シカゴその4

今日は遂にALAとシカゴ滞在最終日です!

(昨日はシカゴ大学図書館を見学したので、別の記事でご紹介します。)

 

最終日のALA Annualは閉式スピーチのみ、今年のスピーカーは皆さんご存知、ヒラリー・クリントン氏です。

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シカゴの生まれなんですね。

例年にないかなりのビッグネームなようで、どんな雰囲気になるのかとそわそわしながら会場へ。
開式1時間前には到着しましたが、すでに会場の8割方は埋まっており、様子などを撮影しているうちにあっという間にほぼほぼ満席となりました…。

何人参加していたのかはわかりませんが、報道のカメラも数台来ていました。

 

遂に登場。
私の席からは遠かったので、写真だと小さいです。

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↓早速You Tubeにもあがっているので詳しい内容はこちらでどうぞ。

youtu.be

一番会場が盛り上がったメッセージは、

"You have to be on the front lines of one of the most important fights we have ever faced in the history of our country: The fight to defend truth and reason, evidence and facts"

という箇所だったと思います(既に複数の報道記事でもこの部分はピックアップされてるみたいです。)
スピーチ自体、要所要所で拍手が何度も起こりましたが、ここはスタンディングの上での拍手喝采でした。
図書館員に対し「戦え」という強いメッセージを発信し、また、それに会場中が答えるという姿勢に、アメリカのライブラリアンの力と熱意を感じました。

来年のALA Annualはルイジアナ州ニューオーリンズで開催。

これにてALA Annual 2017は終了!

全てが新しい、刺激的なことばかりの5日間を過ごすことができました!

 

閉会スピーチ後は、空港に向かうまでの時間でシカゴ市内を散策しました。

 

ホテルから近かったのに中々いけなかったミレニアムパークのCroud Gate。

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天気も良かったため、シカゴの街並みと青い空が綺麗に映っています。

 

Michigan Avenue Bridgeからの風景。トランプの文字、主張してますね…。

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Chicago Riverにはシカゴ市内の建築物などを紹介するクルージング船がたくさん!

時間があれば乗りたかった。

 

川沿いを上っていくと、コーンタワーの愛称のあるマリーナシティがそびえています。

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自動車も含め、芸術的…。

 

建築で有名なシカゴの街ですが、街中に突如現れる屋外芸術の数々も素敵です。

川沿いのコーンタワーを通り過ぎ、Clark Streetを南に下って歩くと、通り沿いにジーン・ドゥブフェットの「Monument With Standing Beast」、ピカソの「The Picasso」、ミロの「Statu in Chicago」、カルダーの「Flamingo」辺りを順にみることができます。

 

ちなみにMonument With Standing BeastとFlamingoはシカゴ美術館に小型レプリカもあります。

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正直、ALA Annualのことで頭がいっぱいかつ時間もなさそうだったので、事前にシカゴの観光予定は全く立ててなかったのですが、市内だけでも見どころがたくさんあり、その場で思い立って行けた範囲だけでも個人的には満足です。

 

明日からはまたUWでの仕事に戻ります!


~おまけ~
シカゴ土産にVosgesのチョコレートを購入。

オヘア国際空港内にショップがあります。
変わり種の味が有名みたいですが、Library仕様のパッケージを思わず買ってしまった…。

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ALA Annual 2017@シカゴその3

今日(6月25日)は以下のセッション3つと展示会場をフラフラしてきました。

 

Cataloging and Classification Research Interest Group

Update on the ACRL Academic libraryTrends and Statistics Survey

FRBR Interest Group

 

今回のブログはセッションではなく展示会場の様子をご紹介します~

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ホームページだと713のExhibitorが参加していることになってます。

出版社、メーカー、ベンダーなどなど一通り回るだけでも時間がかかります。

 

出版社エリア。

 

各出版社ブースには作家がきており、本を無料かつサイン入りでもらえます。

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今日はもらおうか迷って結局荷物になるから…とやめてしまいました。

会場内にPost Officeもあるので家に送ることもできます!(海外発送も可)

 

NASAもきてました。

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リフレッシュエリア。

ドローン操縦体験ができるコーナーがあります。

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ゲーミングエリアは面白そうでした。

カードゲームやボードゲームのレクチャーがあったり。

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良い感じの写真は撮れなかったのですが、

もちろんLibrary of Congressなどの米国図書館関係のブースや、OCLC、各大学のInformation Schoolのブースもあったりしました。

UWのInformation Schoolも出展してましたね。

展示会場内では他に、各出版社のミニ講演やポスターセッションも行われていました。

 

Annual Conference以外にもお昼に少し時間を取ってシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)にも行ってきました!

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2時間くらいしか滞在できずとてもすべては回れませんでしたが、館内ガイドに親切に見どころが掲載されているのでそれらをメインに回り、館内のカフェで昼を食べてちょっと休憩したりしてました。

 

Lower Lobbyにあるミュージアムカフェはこんな感じです。

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食堂?みたいになっており、各料理別になっているカウンターで自分の好きな料理を選択できます。

日曜の昼間でしたが混んではなく、料理もカウンター越しにすぐにもらえるので時間がなくても立ち寄れるかと思います。

個人的にミュージアムオリジナルラベルのビールを飲んでみたかったのですが、缶1本(確か)8ドル!かつこの後セッションも控えていたので断念しました…。

 

 ~おまけ~

本日のビール。

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夜はイタリアンレストランAcantoへ。

生憎シカゴのタップビールは切れていたので、おすすめされたイタリアのボトルビールにしてみました。

料理もおいしく、量も日本人向けサイズ?なので、色々な種類の料理を楽しめます!

ALA Annual 2017@シカゴその2

今日からついにALA Annual 2017に参加です!

 

ALA Annualは、アメリカの図書館界の年次会(総合展)で、アメリカ図書館界の最新のトレンドを各機関や企業によるセッションや展示会場、ALAの分科会のミーティング等で得ることができます。

日本でも図書館総合展はありますが、さすがアメリカ、規模の違いがスタバの列に現れてます…。

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参加する企業や作家、ゲストスピーカーも豪華です。

今日はサラ・ジェシカ・パーカーがスピーチにきてたらしいです。

少しだけ話してすぐ帰ったみたいですが。

最終日の閉式スピーチはヒラリー・クリントンだそうで、アメリカ図書館界の立場がよくわかる人選だな思います。

 

さて会場に到着し、エスカレーターをのぼり受付へ。

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今日はセッションをメインに、朝から以下の発表やディスカッションに参加してみました。

 

Students Lead the Library: A Showcase of Student Contributions to the Academic Library

Towson University、University of illinois Springfield、Westminster Colegeのライブラリアンによる学生を主体としたアクティビティ・プログラムのパネル発表。

Towson Universityで、学生/大学が作成した資料や学生の「声」のアーカイブを行っているというのは興味深かったです。

 

RDA Fourum

RDA Toolkit、2018年4月目標に新バージョンがリリース予定らしいですよ。(現行URLは2019年4月まで利用可だけど、新旧で完全に異なるものにするみたいです。)User Worksやトレーニングツールを加えたり、レファレンスや他のエレメントと関連性はよりわかる具体例がもうちょっと充実するとか。とりあえず今の色々なページに飛ばされる感が少しでも改善されるとよいと思います。

 

Elsevier Roundtable

Elsevierの製品アップデートの話だったのですが、これは昼ご飯につられて話半分にきいてました。ごめんなさい。

とりあえずランチの様子だけでも…。

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What Do You Need to Know? Learning and Knowing and Libraries in the Age of the Internet

GoogleのDaniel Russell氏による講演。"Informacy"(Literacy of Information)に関する一般のGoogleユーザーを対象としたが調査が色々と登場し、大学で働いている身としては、さすがに大学生でこれはないと思いたい…という結果も多かったですが、"リテラシー"の概念は変化し続けるというのが様々な具体例でよくわかる講演でした。

文化が変われば見方が変わる身近なリテラシーの例として顔文字/絵文字の読解が挙げられていたのは、まさに今異国の地で痛感しているところなのでした。

 

What Happens to the Library Catalog in the Age of Linked Data? 

大学、公共図書館のライブラリアンによるLinked Dataとカタログのこれからについてのパネルディスカッション。パネルの前の、個々のショートイントロダクションのみ参加しました。特に、シェアカタログ時代、ディスカバリーツールの中の書誌レコードにおいて、Linked Dataをどう活かしていくかという内容だったのですが、日本語で聞いても私には理解するのが難しいと思われ、消化不良ぎみなので、スライドがあがったらあとでよく見返します…。

 

展示もちらっと覗いたのですが、また後日簡単にご紹介します。

一先ず初日はこんな感じでした。

 

夜は、私と同じくワシントン大学東アジア図書館で研修中の、韓国からのVisiting Librarianの方と一緒にシカゴピザ@Gioldano'sを食べてきました!

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シカゴサラダとバッファローチキン。

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シカゴ地ビールのGoose Island Green Line.

ペールエールで飲みやすいです。こってりしたピザにぴったり。

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昨日、よっぽど一人でもシカゴピザを食べに行こうと思ったのですが、思いとどまって今日にしてよかったです。Smallですら2人でも食べきれないくらいのボリュームでした!

残った料理は持ち帰れるので、これで向こう2日は朝ごはんに困らなさそうです。

ALA Annual 2017@シカゴその1

今日から5日間米国図書館協会(American Library Association)の年次会に参加するため、シカゴにやってきました。

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 年次会自体は6/22~27ですが、私は明日の24日から参加します。

 

今日は移動で一日終ってしまいましたが、宿泊先のすぐ近くにあるWillis Tower(旧Sears Tower)だけのぼってきました。

 平日ですが意外と?混んでいて、チケット購入まで30分くらい並びました。それでも空いているほうですかね?

 

スカイデッキは103階、約412mの高さ!

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建設時は世界一、今でも全米2位の高さを誇る高層ビルだそうです。

 

スカイデッキにのぼる前に、シカゴの街とWillis Towerの歴史紹介映像が観られるので、シカゴに来た初日に行くのにぴったりです。

 

明日からのALA AnnualはMcCormick Placeをに中心に、一部ダウンタウンのホテルも会場になっています

今まで参加したどの会議よりも規模が大きくて、いまだにどのセッションに行こうか悩んでます…。

特に明日が!悩ましい!

 

無事に色々なセッション以参加出来たらブログでもご報告できればと思います。

27日まで、シカゴを満喫してきます~

 

~おまけ~

(小さいけど)地上に飛行機の影。

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図書館紹介~ワシントン大学Odegaard Undergraduate Library編~

今週からSummer quarterが始まりました!

他の学期に比べると学生数も少ないようですが、ちょっと活気が戻ってきた感じがします。

 

本日紹介するのはワシントン大学の学部生用図書館、Odegaard Undergraduate Library(OUGL)です。

今までもオフィスがこの図書館の地下にあるということで名前だけ登場させていましたが、今回OUGLのライブラリアンの方に案内していただくことができました!

 

OUGLに限らず、UWの図書館は基本的に入館規制なしで誰でも利用することができます。よって入館ゲート等のセキュリティはありません。OUGLも学部生の図書館とご紹介しましたが、誰でももちろん入館できます。

ちなみにOUGLは学期期間中は24時間開館している図書館なのですが、夜間利用はHuskey Cardが必要ということで、どのように規制してるのか尋ねたところ、19時になると入り口に臨時入退館ゲートを設けるそうです。毎回セッティングするのも大変そうだなと思いました。

 

入り口にはUW Librariesの理念掲げられています。

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今回ツアーに加え、OUGLの活動のヒアリングさせていただいたのですが、それらを通じて「全ての人を歓迎する」という考え方が随所に現れていることを強く感じました。

 

上(3階)から見下ろした図。

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中央は吹き抜けとなっていて、開放的で明るい雰囲気の館内。

2013年に改築する前は薄暗く、あまり積極的な利用はされなかったとのことですが、今は学期期間中は常に満席となるほどの人気ぶりだそうです。

 

1階には展示棚、セミナールーム、グループ学習室、Writing Supportなどがあります。

 

1か月ごとにかわる展示棚。今月はLGBTQ関連する作品が並んでいます。

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棚の横にはホワイトボードが置かれており、ここに既存の本以外のLGBTQに関するタイトルを記載すると、ライブラリアンの方がそれも展示に加えてくれたりします。

 

Odegaard Writing & Research Center。(OWRC)

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ここではライブラリアンとライティングサポートのスタッフが同じデスクに座っているので、相互に協力し合い、ワンストップで利用者の学習・研究支援をおこなうことができます。

 

2階にはInformation Desk、Course reserve、PCエリア(Learning Commons)があります。

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Information DeskにはライブラリアンとITサポートの窓口があります。

先述の OWRCとは別の窓口で、Odegaardでは"Learning Commons"というと、このデスクを含めた2階のエリアを指すようで、特にテクノロジー関係のサポートに重きを置いているのが1階(OWRC)との違いです。

 

Information Deskの後ろにはコースリザーブ(教科書)とGood Readsコーナーが。

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語学学習書や国別ガイド、各言語の小説など、英語を第二外国語として学ぶ学生にやさしい資料が並んでいます。

 

2階には他にLearning Technologies Client Supportという窓口もあります。

単なるPC操作だけでなく、キャンパスシステムや様々なソフトウェアについて質問することができ、学生スタッフが学習・研究をサポートしてくれます。

 

3階はQuiet Area(書架&閲覧席)。

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このエリアのみ改築前の状態のようで、若干古い机と椅子が残っています。

 

さてさて、今回図書館ツアーをしていただいたのですが、ツアーの前にはOUGLのライブラリアンの一つである、Undergraduate Experience Librarianの活動についてヒアリングをさせていただきました。

OUGLでは部門の垣根を越えて、担当が異なるライブラリアンの方が"Undergraduate Experience"のためにチームを形成し学部生の大学生活への支援を行っています。

特に新入生に対しては、図書館利用や情報検索に関するインストラクションを行っています。OUGLでは特に様々なグループ別(マイノリティ)にそれぞれに適したインストラクションの機会を設けているそうです。例えば新入生の中でも、留学生、アフリカンアメリカン、ヒスパニック、親が高等教育を受けていない新入生などなど。これらのグループに対する支援は、図書館に限らず大学全体で行われています。

図書館が行う学生支援というと上記のインストラクションのような学習や研究に直結するものを思い浮かべがちですが、Undergraduate Experienceでは、特に学部生が大学生活に馴染みコミュニティに加わることができるよう、場所と機会を提供することも大きな目的の一つとなっています。

9月の新入生入学期には図書館で夜にダンスパーティーを行ったりするそうなので、興味のある方は是非。踊るのは若者に任せて、私はその日お手伝いの方で参加できたらいいなぁと思っています。

 

Undergraduate Experienceについてのヒアリングを通じ、OUGLのライブラリアンの方とお話しする中で印象に残ったのは、学生と双方向のコミュニケーションを行い、Undergraduate Experienceの機会を向上させる、という点でした。

最近の(に限らずですが)学生は”engaged”だという言い方をされていて、こちらが一方的に機会を提供するのではなく、常に様々な立場の学生の意見を取り入れ、それをすぐに図書館の活動に反映させることを大事にしている、ということが他の図書館にも増して強く感じました。

大学である以上、学部生に限らず様々な利用者がいるのは重々承知していますが、特定の対象に特化した支援というのは、対象が限定されているからこそできることもたくさんあり、話を聞くだけでも面白いと改めて思いました。

 

 

~おまけ~

OUGLの水はOUGLのライブラリアンの方お墨付きのおいしさです。

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