図書館員@UW研修者のブログ

2017年5月~11月にワシントン大学東アジア図書館で研修していた大学図書館員の期間限定更新ブログ。大学図書館での仕事やシアトルの生活をゆるゆるお送りします。

図書館紹介~シアトル・セントラル・ライブラリー編~

この週末三連休は全日快晴で、絶好の外出日和でした。

今日はほぼ一日ひきこもってましたが!

 

昨日はダウンタウンまで足をのばして、街を散策してました。

朝一番の目的はEmerald Bike Ride。

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参加できなかったのが残念すぎてひたすら自転車で過ぎ行く人たちを眺めてました…。

 

午後はシアトル・アート・ミュージアムやシアトル・セントラル・ライブラリーなどにも行ってみました。

 

そういえばこのブログを始めてまだ一か所も図書館紹介をしていないという、図書館で働いているとは思えないあるまじき事態に気づいたので、唐突に図書館紹介(シアトル・セントラル・ライブラリー編)とかしてみます。

とはいえ地球の歩き方にも載っているほど有名な、シアトルが誇る公共図書館なので、個人的に気になったポイントだけご紹介です。

 

まずは外観から。

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建築物としても有名なこちらの図書館は、地上1階~10階まであり、一部スタッフ専用フロアもありますが、ほぼすべての階に足を踏み入れることができます。

4th Ave側に1階、5th Ave側に3階の出入り口があります。

 

3階貸出カウンター。

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Check outとカウンターにこれでもかというくらい大きく書かれているのが公共図書館ぽくって良いなと思いました。

 

3階書架。

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よく利用されると思われる新着本、雑誌、小説類が3階にまとめられています。

この階にはスタバとグッズ売り場もあり、本を読まなくても楽しめます。

あとは、新着図書のすぐ横にReading Suggestionsなるカウンターがあったのが気になりました。

気になりすぎて離れた位置から凝視してたらカウンターのお姉さんと目が合い気まずくて写真を撮れずその場を後にしました…。

 

5階のMixing Chamber。

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書架はなく、自由に利用できるPCが150台弱並んでいます。ほぼ満席。

 

10階のViewpoint

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あまり景色はみえないですが。エスカレーターでここまで来ると達成感はあります。

 

今回館内を巡って一番衝撃を受けたフロア。

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4階で、ミーティングルーム数室のみあります。

図書館でフロア全面赤一色にするのは、中々勇気がいりそうだと思うのは私だけでしょうか。

それにしても異世界に迷い込みそうな雰囲気でした。

3階と5階はエスカレーターで直接結ばれており、4階は用がなければ立ち入ることがないような構造になっているからか、かなり静かです。

 

こんな感じで巡りつつ休憩がてら1時間くらい館内で過ごしました。

図書館グッズを買おうか悩んで今回は買わなかったので、絶対にまた来ようと思います!

 

~おまけ~

こちらも観光スポットで有名なシアトル・アート・ミュージアム&Hammering Man。

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6月30日から草間彌生の企画展があるようなので、こちらもまた訪れたいものです。

 

タコマ日本人會の資料整理

さてさてあっという間に一週間が過ぎてしまいましたが、今週はコレクション整理を黙々と?すすめておりました。

 

タコマ國語学校に残されていた資料の整理ですが、内容的にはタコマ日本人會の資料が大半を占めています。

コレクション名もJapanese Association of Tacoma recordsで登録されているので、タコマ日本人會関係資料の整理、といったほうが正確でしょうか。

Archives West: Japanese Association of Tacoma records, 1904-1942

↑Archive Westでは、ワシントン州を含むアメリカ北西地域の学術機関で収集しているアーカイブ資料コレクションの情報を提供しています。

(現在はOrbis Cascade Allianceが管理。)

 

上記のリストのDetailed Description of the Collectionの内容を確認、分類し直したり詳細情報を記録したりする作業を行っています。

 

今週はファイナンス関係の箱を整理してみました。主に領収証です。

コレクションリストでは最初の資料群はCorrespondenceだったのですが、絶対に苦戦するので後回しにしました…!まずは手が付けやすそうなものから…!

こんな感じで箱に資料が入っています。

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横から見た写真。フォルダ名と年の記述、ナンバリングは予めされています。

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基本的にある程度年代でまとめられてはいるのですが、同じ内容の領収書が別のファイルから発見されたり、年代不明のものも調べると年代がわかるものがあるので、まずはファイルを組みかえる作業して、その後現物にある情報を記録してみています。

 

そしてファイナンス関係といっても、みていくと違う分類の方がよさそうなものも出てきて、他のBOXに移すか要検討のものもちらほら。今は整理したい箱を数箱選んで、事務室に運び作業をしているのですが、そのうち結局全体を見たくなって、資料が保管されているスペシャルコレクションで作業することになりそうです。

 

ところで今週末は三連休なんですよね。

来週の月曜日、間違えて大学に行かないようにブログにも書いておきます。

5月29日は祝日Memorial Dayです!

 

 

~おまけ~

昨日初めてきちんとみたシアトルの夕焼け。

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日没が遅いのでなかなか見れなかったのでした。

手振れてますが、中央に見えるビル群がダウンタウンです。

RomanizationとWord Division

今日はシアトルも夏日でした!暑い!

キャンパスからはぼんやりとですが、Mt. レーニアもみえました。

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今週から、いよいよタコマ國語学校関連資料の整理を行います。

(以前の記事で日本語学校としていましたが、國語学校が正しい名称のようですので、遡り修正しています。)

 

まずは資料情報の記述に必要となる、日本語のローマ字化と分かちのトレーニングをしました。

日本でも目録業務でやっていることではあったのですが、採用しているルールが異なり、意外と覚えるのが大変です。

 

こちらのローマ字表記と分かちの基本はALA-LC Romanization Table

長音記号とハイフンは、一部の作業以外ではまず使わなかったので、特にハイフンの使いどころが個人的に難しいです。(ちなみに普段はヘボン式ローマ字&NII「目録情報の基準」第4版11.3に準拠してます。)

 

信越線 Shin'etsusen は わけない(一語とみなす固有名)けど

沖縄戦 Okinawa-sen は ハイフンが必要(分離する接尾語)で

浅間丸 Asama Maru は 分離する(船の名前の「丸」「号」は分離する) とか。

 

最後のはピンポイントな分離例で、ちょっと不思議。

違うルールが頭にある分、この場合はどうするんだっけ?とプチ混乱中です。

 

 今回の資料の整理では、人名・団体名などの固有名記述が多くなりそうなので、都度確認しなが進めようと思います。

 

~おまけ~

スザロ図書館とMt. レーニア

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ワシントン大学のダイバーシティ

ワシントン大学の図書館には、各図書館の職員で構成されるダイバーシティ委員会があります。

今日はそちらの会議に参加しました。

 

もちろん図書館内だけではなく、大学自体にDiversity Councilがあり、様々な背景を持つ学生、教員、職員から構成されるキャンパスの環境向上に取り組んでいます。

 

また、ワシントン大学の現学長のAna Mari Cause氏は、キューバから移住したという背景を持ち、マイノリティに対する支援を先導しています。

 

 

委員会帰りにレッド・スクエアと呼ばれる広場にでたところで、ちょうどこんなイベントをやっていました。

 

Turban Day

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学生もたまたま通りかかった人も警察官も、一同頭にカラフルなターバンを。

 

 

UWの多様性に触れた瞬間でした。

 

 

~おまけ~

抜け殻。

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5分もかからずささっと巻いてもらえました。

EAL定例ミーティング

EALでは月に一度、スタッフ全員が集まる定例ミーティングがあります。

全員といっても不在の方もいたりしたため、本日は11名でのミーティングです。

 

個別にはすでに自己紹介をしていたのですが、普段は色々な担当の方がそれぞれのオフィスで仕事をしているため、一堂に会する場は、本日が初めてでした。

 

ウェルカムケーキを用意していただきました!

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各部門からの報告のうちIT部門から、日本でもまた話題となっているランサムウェアに関するトピックがあり、ロックがかかったPCに表示された電話番号に電話をしてしまったという事例(というか体験談でしたが…!)もあがりました。

絶対に電話はしない!気を付けるように!と注意喚起がなされており、国は変われど起きる事件は一緒なんだなと、身近な話題にしみじみしました。

ITの他にも、ディレクター、パブリックサービス、テクニカル部門からの報告(&その他)という議題構成になっています。

 

ミーティングの最後には、日本から持参した手土産をお渡しさせていただきました。

持って行ったのは、図書館バッグと大学のロゴ入りクッキーです。

 

どちらも好評でした!

 

図書館バッグは、色が複数ある中からどれがいいか選んでもらいました。自分がデザインしたわけではないですが、真剣にどれがよいか悩んでもらえたのは嬉しかったです。

クッキーは、クッキー自体に大学のロゴマークが入っているというのが珍しかったらしく、これはいい!と部屋に持ち帰ってくれた方もいました。

 

手土産はいつ渡そう…と悩みつつ今日まで来てしまっていたので、ようやく渡せて個人的にはスッキリしました。

 

~おまけ~

帰り道、大学構内でリスを見かけました。

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シャッターチャンスをたくさんつくってくれたおかげで、乗る予定だったバスを逃しました。無念。

 

 

Celebrate Asia

Seattle Symphonyをききにいってきました。

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テーマはCelebrate Asia

アジアの国々の伝統音楽や、作曲家の曲(ゲストはインドの作曲家A. R. ラフマーン氏!)が演奏されました。
何でも今月(5月)は、シアトルのアジア・太平洋地域諸島の伝統文化月間だそうです。

演目には日本人作曲家外山雄三のRhapsody for Orchestra、伊福部昭のSymphonic Fantasia No.1、武満徹の波の盆もあり、きいていても耳馴染みのある箇所などがあり、とても楽しんできくことができました。

特に一曲目の演奏でもあったRhapsody for Orchestraは、日本の民謡などがオーケストラで演奏され、楽器にも和太鼓が使われるなど、音だけでなく振動も感じられ、鳥肌が立つほどインパクトがありました。
映画好き(ゴジラ好き?)の方は是非Symphonic Fantasia No.1をおききください。

メインプログラムの前後では、ロビーで各国の踊りや伝統楽器の演奏なども楽しむことができました。


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中国の獅子舞。少年も頑張る。


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インド舞踊。来場者を巻き込み大盛り上がり。


~おまけ~
開演前の一杯。(飲みかけ)
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タコマ國語学校関連の資料を読む

朝から雨が降ったりやんだりで、なんとなくスッキリしない日。でも一日一日夏が近づいてます。

 

EALで取り組む活動を紹介です。

 

今回のプログラムの主な内容は、ワシントン大学が所蔵するコレクションの一つ、タコマ地域に第2次世界大戦期まで存在した國語学校(Tacoma Japanese Language School)に残されていた資料を整理することです。

 

全部で段ボール100箱程度の資料があり、一部の簡単な整理済み資料について、再度整理方法を検討したり、詳しい情報を記録していくという作業を行います。少し見せていただいた中には、学校に限定した関連資料だけでなく、日本人移民に関連する資料(入国審査証や入港記録など)も多く含まれていました。

 

今週は、タコマ國語学校への理解を深め、整理方法の検討に活かすため、アメリカやシアトルへの移民関連資料を読み進めています。

 

今読んでいるのはこの2冊。

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渡米前も数冊読んでみたのですが、シアトル地域に特化した資料を5冊ピックアップしていただきました。写真で伝わるかわかりませんが、どちらも1000ページ以上あります…。久々にゆっくりと本を読む時間を得たとはいえ、情報を整理しきれるか不安です。中には図書館内でしか読めない本もあるため、業務時間中になるべく読み進められるよう頑張ります。

 

~おまけ~

夕方、Allen Libraryで行われたイベントに行ってきました。

Three minute theses

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これだけでも一記事書けそうですが。この春卒業の大学院生12名が、自分の卒論について3分間でプレゼンを行い、5名の教職員及び来場者の投票により最優秀プレゼンターを決定する、というイベントです。(賞金もでます!)

理系も文系も交えた多様な専門領域の研究を一度にきけ、かつ他の研究分野の人にもわかるように話すことが求められるため、話し方はもちろん、各自1枚だけ映せるスライドにも個性あふれる工夫が見られました。

自分の研究データを提示する学生も多い中、Health Servicesに所属しagingを研究している院生が、自分の祖父の写真を投影しプレゼンを行ったのが印象的でした。