図書館紹介~ワシントン大学Gallagher Law Library~
今回の図書館紹介はワシントン大学のGallagher Law Libraryをお送りします。
名前の通り、UWの法学図書館です。
※こちらは裏口側ですが…
UWのLaw LibraryはWilliam H. Gates Hallの地下(L1,L2)にあります。
入館するとすぐ右手に受付兼Circulation Deskがあります。
写真奥の壁にかかる肖像画は、この図書館の名の由来にもなっているMarian Gould Gallagher氏です。
彼女はワシントン大学でLaw Librarianとして長年勤めており、大きな功績の一つにはLaw Librarianの育成があります。在職中はlaw librarianship programのディレクターを務め、数多くの法律図書館員を輩出しており、女性のLaw Librarianのパイオニアでもあるそうです。
入り口側から館内をみるとこんな感じ。中央に下のフロアへ続く階段があります。
こちらの校舎は2003年に建設されたそうで、地下とはいえ、吹き抜けのある光を多く取り入れた構造で開放感のある雰囲気。
見学の際は、こちらでEast Asia Collection Servicesを担当するRobertさんにご案内いただきました。
ワシントン大学ではEast Asian Lawも学べ、Gallagher Law Libraryにある東アジア系(日本・中国・台湾・韓国)のコレクションでは、日本語資料が一番点数が多いです。Collection紹介によると、6万2千冊強あるEast Asian Law Collectionのうち、3万2千冊強を日本語資料が占めるようです。英語での日本法関連資料を足すと更に点数があります。
East Asian Law Department at Gallagher Law Library
レファレンスエリアにはワシントン州の州立裁判所判例集などが並びます。
レファレンス(デスクではなく)オフィス。
こちらは合衆国最高裁判所、Supureme CourtのBriefs(趣意書)が並ぶ書架。これだけでも数連分あります。
法令や判例はデータベースで検索できるようになっているものも多々ありますが、ワシントン大学の図書館は公に開放しているのもあり、データベースが利用できないユーザーも資料を利用できるよう、紙媒体での収集・保存しています。
ちなみに日本の法令・判例集は大審院時代からの資料が書架に並んでいます。
一昔前までは(今ももちろん重要ですが)英語圏の日本法律研究家必携だった、英文法令社刊の日本法英語翻訳本。現代のように翻訳された法令が豊富でなかった時代には本当に貴重な資料だったようです。
ところでUWの図書館は米国議会図書館の分類(LIBRARY OF CONGRESS CLASSIFICATION)を使用し配架しているのですが、法学図書館は、当たり前ですが見事にすべてK(主題がLaw)から始まる本ばかりが並んでいます。
日本の法律はKNXです。
図書館見学以外には、カタログ作業の見学も少しさせていただきました。
カタログ作成の過程自体は東アジア図書館でみせていただいた手順と同じですが、OCLCConnexionで目録レコードを作成する際の作成機関コードが、Law Librararyだけ他のワシントン大学内の図書館と異なります。以前、法学図書館だけ図書館システムが独立していた時の名残だそうです。
こちらは最近元Law Schoolの教授より寄贈された資料の箱々。
法学に限らず日本、日本語に関する資料を多く含んでおり、現在どれをLaw Libraryで受け入れ、どれを東アジア図書館で受け入れるかも確認しているそう。
最後に入館ゲート前にある展示をご紹介です。
Law Libraryのスタッフが夏の読書にお勧めする本を紹介しています。
法学図書館ということで書架に並ぶ本は専門的なものばかりですが、↑のように利用者が図書館に親しみを持てるよう工夫がしてあったり、個人的には規模感や閲覧席の雰囲気が気に入り、勉強するならここだと捗りそう!と思える図書館でした!