図書館紹介~ワシントン大学Music Library編~
今月はワシントン大学の芸術系図書館を巡ってみることにしました。
まずはMusic Libraryをご紹介です。
School of MusicのあるMusic Buildingは、向かいに建つArt Buildingと対になる構造で、同じ年に建築された校舎です。
図書館はMusic Buildingを入ってすぐ右手にあります。1階の入り口はこちら。
地下にも資料がありますが、図書館内では繋がっておらず、利用したい場合は一度館外へ出て下のフロアに行きます。資料はスムーズに移動ができるように、Book Liftが設置されていました。
2フロアで約7万点の本と楽譜、4万6千点の音声資料を所蔵しています。
コレクションとしてはヨーロッパのオペラ関係資料及びAmerican Music Scoreを強みとしています。
1階には入館すると左手にサーキュレーションデスクと書架、正面にGroup Study Area, 右手にReference及び出納式書架が並びます。
ちなみにこちらの校舎は古いこともあり、図書室は残念ながら冷房がありません。訪問時は館内すべての窓を開けて対応していました。更に暑い場合は扇風機も稼働。
スザロにも音楽関係資料は所蔵されており、音源も聞けるMedia Centerがあるため、そちらも学生はよく利用するようです。
あまりにも自然に置いてあるので見落としそうになりますが、1950年代に製造されたというオルガンも入り口にあります。もちろん触われて音もでます!
資料で目につくのはやはりMusic Libraryならではの多種多様な楽譜。大きさがまちまちのため、通常の書架とは別に、ポケットサイズ用と大型用の楽譜書架があります。
↓わかりにくいですが携帯用の大きさの楽譜。小さいと文庫サイズほどのものから並んでいます。
こちらは大型の楽譜。地下に別置されています。
地下には図書と音源資料が配架されています。閲覧席はQuiet Study Areaになっています。
CDやDVDはもちろん、LPレコードもたくさん!
開架式で直接パッケージを見られるのも嬉しいですね。
CDのみが収容されている棚。写真には映っていませんが、右手にも同じように並んでいます。
DVDコレクション。
ワシントン大学Scool of Musicのオケの演奏は、DVDで記録されたものを図書館で保管しています。
カセットテープも所蔵していますが、徐々にデジタル化する作業をすすめているそうです。ちょうど訪問した際に、アルバイトの学生さんが変換作業をしていました。
ちなみにMusic Libraryで働く学生アルバイトは、もちろんMusic Schoolの学生なのですが、オケに入っていない(←重要)学部生がほとんどだそう。一部院生もいますが、作業としては閲覧カウンター業務補助と書架整理がメインのため、時間の取れる学部生が応募してくることが多いようです。
Libraryに併設されるListening Center。
音源資料は身分や資料によって館外には持ち出せないものもあるため、ここで使用できるようになっています。この部屋に関してはPCが設置されており室温が上昇しやすいため、冷房が設置されています。暑い日はここに自分のPCをもって避難してくる学生もいるそう。
PCのほかにも、各種音源再生機と可動式モニターがあります。
上記の写真のように部屋には大きな鏡が張られているのですが、これは指揮科の学生が式の練習ができるよう設置されています。モニターや再生機で音源を流しつつ自分の姿を確認するそう。
また、部屋の中央は椅子が並べられるようになっており、複数人でモニターに映された演奏映像などを鑑賞できるようにもなっています。
見学の他にも、Music Libraryで保管する貴重資料(イタリア人作曲家プッチーニやロッシーニ直筆の書簡)を見せていただいたり、昨年作成されたばかりのCrawford Collection Catalog(UWで所蔵する、William Crawford IIIが収集した初版音楽資料及び同氏アーカイブ資料のカタログ)をいただいたりと、充実した見学をさせていただきました。UW内の他の図書館と比べると決して規模は大きくありませんが、歴史のある建物にLibrarianと学生アルバイトとの距離も近く、大学というより学校図書室を彷彿とさせるような、懐かしさを感じる落ち着いた雰囲気の図書館(図書室)でした。
~おまけ~
週末にChihuly Garden and Glassに行ってきました。
今までシアトルで訪れた場所の中で一番気に入りました…!ガラス彫刻家Dale Chihuly氏はワシントン州タコマ出身、ワシントン大学でも学んだ経歴のある作家です。
2枚目の作品はシアトルの西側に位置するピュージェット湾(Puget Sound)をイメージした作品。よく見ると海の生物も散りばめられています。
日本では富山市ガラス美術館に常設の作品があるということで、帰国したら是非観に行きたいと思うほど美しい作品の数々です。その前に、UWのタコマキャンパスの図書館にも作品が飾られているらしいので、そちらに行ってこようと思います!